普段のこの時間に携帯を逐一チェックするというような習慣は無いから、彼女からのメッセージに気付くのがあまりにも遅くなってしまった。一日に達成するべき行動をすべてやりきってしまい、まどろみの中にいながら就寝前の最後の仕上げとばかりに持ち上げた携帯には四角い封筒を模したマークがひとつ。いつ届いたものかと疑問に思いながらも、いつもと同じように開いていく。するとそこにはいつもの彼女の名前といつもの彼女らしからぬ文面が連なっていて、先程までのゆるゆるとした意識は瞬間に吹き飛んでしまった。今何時だ、もうこんなにも時間がたっている。今から外に出れば明日はいつも通りに起きられそうにも無いが大丈夫、明日は水曜日だ、仕事は無い。彼女もそれを分かっているからこそ、今日を選んでメールを送ってきたのかもしれない。今日まで耐えてきたのかもしれない。見苦しくない程度に身なりを整え、車の鍵と携帯だけを手に部屋を飛び出す。もちろん弟や可愛い妹を起こさないように細心の注意を払いながら、それでも出来るだけ早く目的地に到着できるように、気持ちと足を焦らせて、階段を駆け下りる。電話をかけるのももどかしい。アクセルを踏む足にも、ハンドルを握る手にも自然と力が入る。早く速くはやく、一刻も早く君の元へ。
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数えた羊が逃げていく
「会いたい」なんて君が言うのは至極珍しいことだから、眠気如きに負けるはずも無く。
20080512